NTTグループカードというのは、NTTファイナンスによって発行しているクレジットカードです。今回、NTTグループカードのメリットやデメリット、還元率やガソリンカードとしての使い方について徹底分析しました。
概要
このカードには大きく2つの特徴があります。
1つは通信費用のキャッシュバック、2つ目は出光SSのガソリン値引きがあるということです。
しかし、以上のサービスがあっても、このクレジットカードは決してオススメのカードとはいえません。
そのため、別のクレジットカードに加入することをおすすめします。
もしこれからNTTグループカードを申し込もうと考えている方は、一通りこの記事を読んでから再検討してみてはいかがでしょうか。
還元率は?
NTTグループカードには「ポイント・プレゼントコース」と「おまとめキャッシュバックコース」という2種類のポイントプログラムがあります。
そしてどちらかのポイントプログラムを選択する必要があるので、ここではそれぞれの還元率について解説します。
ポイント・プレゼントコース
ポイント・プレゼントコースはポイントの貯まり方が従来のクレジットカードと同様のコースです。
使用した金額に応じたポイントが一定の割合で貯まります。
そして、ポイントは使用金額の0.5%で付与され、お金と交換するタイミングで0.5~0.6%に少しだけ上昇します。
そして5,000ポイントを達成するごとに500ポイントがボーナスとして付与されます。
この、通常の還元率で貯まるポイントと達成でもらえる500ポイントを合わせると、還元率は最大で0.66%になります。
還元率の計算は以下の通りです。
通常のポイントは1,000円ごとに10ポイントのレートでつきます。
そのため、5,000ポイントを達成するには最低でも50万円を使用する必要があります。
つまり、50万円を使用すれば、通常ポイントの500ポイントに加えて5,000ポイントが貯まります。
この5,500ポイントは円に換算すると3,300円分になるため、
還元3,300÷カード利用50万円×100=還元率0.66%になります。
5,000ポイント使用したら500ポイントプレゼントというサービスは他のクレジットカードではあまり見ないため、ポイントがたまりやすいカードという印象を受けるかもしれません。
しかしNTTグループカードは通常の還元率がかなり低いです。
他のクレジットカードは1.0~1.5%を超えるような高還元率カードがあるのに対し、最大で0.66%という還元率の数字はかなり低いといえます。
そのため、NTTグループカードでわざわざポイント・プレゼントコースを使用するならば、他のクレジットカードを使用した方が還元率も高く、効率的にポイントを貯めることができます。
おまとめキャッシュバックコース
おまとめキャッシュバックコースは皮下のクレジットカードのポイントの使用方法とかなり違います。
こちらのコースでは貯めたポイントをもとに、NTTグループで使用した通信費用がキャッシュバックされるというものです。
詳しくは以下の手順で進みます。
1.月間利用額に応じてもらえるポイント量によって、キャッシュバック率が決定
2.決定したキャッシュバック率×NTTグループ通信費用=還元額
また、キャッシュバック率は以下のように決められます。
獲得ポイント | 月間利用額 | キャッシュバック率 |
0~190ポイント | 2万円未満 | 0% |
200~390ポイント | 2~4万円未満 | 1.5% |
400~590ポイント | 4~6万円未満 | 3% |
600~790ポイント | 6~8万円未満 | 4.5% |
800~990ポイント | 8~10万円未満 | 6% |
1,000~1,990ポイント | 10~19万円未満 | 8% |
2,000~2,990ポイント | 20~29万円未満 | 18% |
3000~3,990ポイント | 30~39万円未満 | 28% |
4,000~4,990ポイント | 40~49万円未満 | 38% |
5,000~5,990ポイント | 50~59万円未満 | 50% |
6000ポイント以上 | 60万円以上 | 60% |
次に、還元率を出すために以上のキャッシュバック率と掛け合わせるNTTグループの通信費用を計算します。
・NTT東日本、西日本:加入電話、フレッツ・サービス、光電話などの基本料、通話・通信量など
・NTTドコモ:Xiサービス、FOMAサービス、パケット通信サービス、衛星電話サービス(船舶電話を除く)
・NTTコミュニケーションズ:OCN利用代金、NTTコミュニケーションズ利用文の電話料金(県間・国際通話料金)など
・NTT-ME:プロバイダー(WAKWAK)料金など
・NTTぷらら:プロバイダー(ぷらら)料金、ひかりTV料金など
・@nifty:プロバイダー料金など
・BIGLOBE:プロバイダー料金など
・NTTファイナンス:おまとめ請求
以上のサービスの支払い合計金額がキャッシュバック対象になります。
しかし、通信費用の合計額は上限が15,000円となっています。
例えば、NTTグループカードの月間利用額が10万円で、NTTグループの通信費用が1万円だと仮定します。
するとキャッシュバック率は、カードの月間利用額の10万円に基づいて、8%となります。
そしてそのキャッシュバック率(8%)とNTTグループの通信費用(1万円)をかけると800円になります。
これが還元額となります。
ちなみに、この例の還元率を出すと、0.8%となります。
以下の表はすべての利用額と還元率のケースを表したものです。
この表では、できるだけ高い還元率を出すために月間利用額はその枠内の最安値、通信費用は上限の15,000円に設定して計算しています。
月間利用額 | キャッシュバック率 | キャッシュバック額 | 最大還元率 |
2万円未満 | 0% | 0円 | 0% |
2~4万円未満 | 1.5% | 225円 | 1.125% |
4~6万円未満 | 3% | 450円 | 1.125% |
6~8万円未満 | 4.5% | 675円 | 1.125% |
8~10万円未満 | 6% | 900円 | 1.125% |
10~19万円未満 | 8% | 1,200円 | 1.2% |
20~29万円未満 | 18% | 2,700円 | 1.35% |
30~39万円未満 | 28% | 4,200円 | 1.4% |
40~49万円未満 | 38% | 5,700円 | 1.425% |
50~59万円未満 | 50% | 7,500円 | 1.5% |
60万円以上 | 60% | 9,000円 | 1.5% |
以上の表を見てわかる通り、おまとめキャッシュバックコースの最大還元率は1.5%となります。
この数字だけ見ると他のクレジットカードと同様に高還元率で使用できるカードだと感じます。
しかしながら、1.5倍の還元率を出すためにはNTTグループカードの月間利用額を50万円以上利用する必要があります。
普通、クレジットカードの月間平均利用額は5~6万円といわれています。
それを踏まえると、月間で50万円以上利用するというのは不可能に近いということがわかるのではないでしょうか。
しかも、今や利用額などの規制がなくても通常1.5%の還元率で利用できるカードはたくさんあります。
そんな中で、わざわざ不可能に近い条件をクリアしてまでNTTグループカードを利用する必要性はないのではないでしょうか。
そのため、おまとめキャッシュバックコースも、別のクレジットカードを使用したほうがお得だということがわかりました。
つまり、ポイント・プレゼントコースとおまとめキャッシュバックコースの2種類のコースをポイント還元率の点から見ると、得のないカードだということがわかります。
出光キャッシュバックシステム
続いて、NTTグループカードのもう一つの特徴であるガソリンカードとしてのメリットについて紹介いたします。
NTTグループカードには「出光キャッシュバックシステム」というシステムがあって、
これは出光SSで給油をするとガソリン値引きができるシステムです。
また、ガソリンの値引き額はカードの月間利用額に応じてポイントを獲得でき、そのポイントの量によって変化します。
ちなみに、こちらのポイントはポイント・プレゼントコースやおまとめキャッシュバックコースとは別のポイントになります。
この利用額というのは当月16日から翌月の15日までのカード利用額のことを指します。
1,000円以上1万円未満は一律1ポイントで、1万円以上は1,000円につき0.1ポイントがと翌月付与される仕組みとなっています。
また上限は月に20ポイントです。
そしてポイントを獲得したら、値引き額が決定し、さらに翌月に適用されます。
時系列で表すと、1/16から2/15の1ヶ月間の出光SSの利用金額でポイントと値引き額が決定します。
そして3/16~4/15に値引きが適用され、5/15に値引きした金額がキャッシュバックされる仕組みになっています。
つまり、初めの1ヶ月は値引きの適用がありません。
そして値引き額の計算方法はレギュラー・ハイオクと軽油で違います。
・レギュラー、ハイオク
1リッターあたりの値引き額=獲得したポイント数×2円
・軽油
1リッターあたりの値引き額=獲得したポイント数×1円
例えば、出光SS で月に2万円利用した場合、獲得ポイントは2ポイントになるため、値引き額はレギュラー・ハイオクなら4円/L、軽油なら2円/Lになるこいうことです。
月間利用額 | 獲得ポイント | 値引き額 |
1,000円以上〜10,000円未満 | 1ポイント | 2円/L |
15,000円 | 1,5ポイント | 3円/L |
20,000円 | 2ポイント | 4円/L |
50,000円 | 5ポイント | 10円/L |
100,000円 | 10ポイント | 20円/L |
200,00円 | 20ポイント | 40円/L(最大額) |
このように値引き額は変化していき、最大で1リットルあたり40円まで値引きを受けることができます。
毎月値引きを受けるには、毎月出光SSを1,000円以上利用する必要があります。
日常的に車を使用するためにガソリンスタンドによる機会が多い方からすると、使ったぶんだけ値引きされるというシステムはかなり得に感じるでしょう。
しかし、出光SSのガソリンカードとしては出光カードまいどプラスの方が得です。
ポイント面やガソリン面などから見ても、出光カードまいどプラスの方がオススメのため、ガソリンカード目的でクレジットカードを申し込む予定の方は、ぜひ出光カードまいどプラスを検討して見てください。
年会費は?
NTTグループカードの年会費は1,200円+税です。
高く感じるかもしれませんが、この年会費はWEB明細に登録をするだけで無料になるため、実質無料と言えるでしょう。
そして同様に家族カードも年会費無料ですが、ETCカードは500円+税がかかります。
ポイントは使いやすい?
NTTグループカードのポイントはそのままキャッシュバックに使用することができるため、使いやすいと言えるでしょう。
国際ブランドは?
国際カードはVISAとMasterCardから選択することができます。
昔はMasterCardだけnanacoチャージでポイントが付与されましたが、今ではVISAでもポイントをつけることができるため、どちらのブランドでも差はありません。
付帯保険は?
NTTグループカードには海外旅行傷害保険や国内旅行傷害保険はついておりません。
しかし、ショッピング保険はついています。
補償期間は60日で、最高で100万円まで補償がされます。
しかし、こちらの保険が適用されるのはリボ払い、分割払いのみが対象のため、気を付けてください。
デメリット
このカードはかなりデメリットが多いカードだといえます。
還元率もかなり低く、ガソリンカードとしても他のカードと比較すると劣っています。
また、ETCカードとしても、年会費がかかるため、他のカードを自動車用カードにするべきでしょう。
しかし、唯一、ガソリンカードのサブカードとしてなら使い道があります。
大体どのガソリンカードにも割引される上限のガソリン量が決まっています。
そのため、メインのガソリンカードの上限に達してしまったらNTTグループカードを使用するという方法なら使い道があるでしょう。
日常的に車を使用するためにガソリンスタンドによる機会が多い方は、ぜひ検討してみてください。
また、入会特典金額が高めに設定されているため、その目的で入会するのもいいでしょう。
他のカードとの比較
ポイント面とガソリン面から、皮下のカードと比較してみます。
まずはポイント面です。
上に述べた通り、NTTグループカードは最大で還元率1.5%でポイントを貯めることができます。
しかしこれはカードの月間利用額が50万円以上で達成できる還元率です。
他のカードはもう少し低い条件や無条件で1.5%の還元率でポイントを貯めることができるため、他にクレジットカードの方がオススメです。
そしてガソリン面です。
出光SSに特化しているガソリンカードという点では出光カードまいどプラスの方がオススメです。
そのため、もしNTTグループカードを利用するとしたら、サブカードとして利用すると良いでしょう。
総合評価
NTTグループカードは残念ながら大きなメリットはあまりなく、使い道もあまりないカードです。
しかしながら、ガソリンカードのサブカード目的での利用や入会特典狙いで入会するにはオススメのカードだといえるでしょう。