クレジットカードのリボ払いはとても便利で支払いがしやすいサービスだと思いますが、注意点を理解していなければ大変なことになります。
リボ払いを利用したせいで借金が膨れ上がり自己破産してしまったとなれば本末転倒です。
今回はリボ払いの注意点や分割払いとの違いを明確にしながら、どのようにリボ払いと付き合っていけばいいのかを詳しく解説していきます。
仕組みをよくわからないままリボ払いをしているという方は、この記事を読んだら今すぐにリボ払いの支払い設定を見直してみてください。
まずリボ払いってなに?
リボ払いとは「リボルビング払い」の略称で、クレジットカードを利用した返済方法のことです。
クレジットカードを利用した金額や回数に関係なく、月々の支払額が一定になるというサービスです。
例えば、現在のクレジットカード利用金額が14万円で、リボ払いの金額を1万円に設定したとします。
その場合、単純に14ヶ月かけて支払いをする計算になります。
しかし、リボ払い開始2ヶ月目に5万円のスニーカーを買った場合、返済額は14-1+5で18万円となりそこからさらに18ヶ月かかる計算になります。
(具体的には手数料もかかってくるのでもっとややこしい計算になります。)
といったように、利用金額が増えた場合でも、一定の金額で返済を続けることができるのがリボ払いの特徴です。
リボ払いは分割払いとは違う
リボ払いは利用した金額を月々分割して返しているので、一見分割払いに似ていますが、この2つには明確な違いが存在します。
分割払いとは
分割払いとは、クレジットカード決済で払った金額を翌月の支払日に一括で払うのではなく、指定した回数に分けて月々返済していくというものです。
例えば、10万円の高級ブランドのバッグを買ったとします。
来月の給料的に、「これを一括で払うのが厳しい。」と思ったら分割払いの出番です。
カードによって分割できる回数は異なりますが、今回は10回払いにしたとします。
その場合、来月以降月々のバッグ代の返済は1万円のみで済みますので、10ヶ月後に完済するということになります。
そのため急な出費とならず、お財布にも優しいペースで支払うことができます。
ただし、手数料がかかるので手数料も考慮して分割の回数を考えなければいけません。
支払い回数の比較
リボ払いと分割払いには支払い回数の違いがあります。
まず、分割払いは支払いの際に指定した回数分分割することになるので、2回なら2回、24回なら24回と指定した分割回数が完済まで変わることはありません。
しかし、リボ払いの場合はカードを利用しているうちに、当初予定していた支払い回数とは異なってきます。
リボ払いを始めた月以降もカードを利用していけば、利用金額が増えていくので、リボ払いによる返済回数も増えていきます。
さらにその回数に伴って手数料も増えることになります。
返済額の比較
こちらの比較もそれぞれの特徴が出てきます。
リボ払いの場合は、毎月の支払額が一定になっているのが特徴です。
そのため、月々の返済額を2万円に設定していれば、許容範囲内でどれだけお買い物をしても月々の支払いは2万円で固定されます。
そのため常に支払額がわかるというメリットがあります。
一方、分割払いの場合は利用した金額と分割した回数によって返済額が変わります。
同じ20万円のスーツを買ったとしても、分割回数が2回なら月々の返済額は10万円となり、分割回数が10回なら月々の返済額は2万円となります。
このように、分割払いは利用方法によって返済額が変わるのが特徴です。
金利手数料の比較
分割払いは、利用回数によって金利手数料が決まっています。
自分が利用した分割回数によってその数値を当てはめて計算をすればすぐにわかります。
そのため、手数料の計算は簡単です。
一方でリボ払いの金利手数料の計算は少々面倒です。
ちなみにカード会社では金利は年率で15%程度が一般的です。
もし借りた金額を一年間かけて返済した場合は15%の金利がかかりますが、これを半年で返した場合は7.5%と半分になります。
しかし、その途中に別の支払い金額がいくらと上乗せされると金利が…支払い回数が…
リボ払いの支払い金額の計算は非常に厄介で、計算が苦手という方には自分の返済額がわからなくなりやすいです。
そこで便利なのが、各カード会社の公式サイトにある「リボ払いの支払いシミュレーション」です。
これを利用すれば、リボ払い手数料の合計や支払い回数、月々の返済額などをシミュレーションすることができます。
そのためリボ払いを利用する手数料を知りたい場合はこれを利用するのがいいと思います。
リボ払いの注意点
リボ払いと分割払いの違いがわかったところで、本題であるリボ払いの注意点について解説していきたいと思います。
支払額が膨らむ
リボ払いでは、いくら使ったとしても月々の返済額が一定なので、設定額より多い分は翌月以降に繰越されます。
使えば使うほど、どんどんと借金が積み重なっていくということになります。
金利手数料が上乗せされるので返しているつもりが、少額のリボ払いだと逆に増えているなんてことにもなりかねません。
返済が長引きやすい
もしリボ払いを利用しながら新しく大きな買い物を続けていると、返済が長びき、どんなにリボ払いを続けても返し終えることができないという悪循環に陥ります。
そのため、定期的に支払い残高を確認し、返せる月は繰越返済で一気に返しておくということが大切です。
借金をしているという実感が湧かない
どんなに大きな金額を借りていても、一定の金額を月々返し続けている分にはその大きな借金を実感しづらいです。
毎月一定で、自動引き落としだと自分が借金をしている感覚は感じないからです。
このようなことが原因で、「気づいたら借金がとんでもない金額になっていた。」ということはよくあることです。
一括払いや分割払いでは、支払日に目の前からお金が消える感覚を実感し、使いすぎた月は「翌月以降気を付けよう。」などと思うのですが、少額のリボ払いと知らぬ間に増えている借金では、気づくことなく自分の首を絞めることになるかもしれません。
実感を持つためにも自分で家計簿アプリなどを用いて返済額や利用額の自己管理を行うようにしましょう。
完済までにいくらかかるかわかりにくい
これは先ほど説明した、リボ払い金利手数料の計算を思い出してほしいのですが、分割払いに対してリボ払いは金利の計算がややこしいため、今自分がいくら借金をしているかが実感として分かりにくいのです。
分割払いや一括払いでは、利用したその場でいくら自分の借金が増えるのか、来月いくら返すのかが明確ですが、リボ払いではそれが不明確です。
利用金額の管理がしっかりできないと思った方は、リボ払いを利用するのは控えましょう。
リボ払いの利用額を超えると信用問題に
クレジットカードには利用限度額が設定されていますが、リボ払いにも同様に利用金額が設定されています。
もしリボ払いを利用していて、日々のカード利用や金利手数料の増加によって利用限度額に達した場合は、利用限度額を超過した分の一括払いになります。
「利用限度額をちょっと超えたくらいなら払えるし大丈夫。」とお考えの方、かなり危険です。
リボ払いの利用限度額ギリギリという時点で、借金はかなり膨れている状態でしょう。
もし利用限度額オーバー分の金額を一括で払えた場合でも、翌月以降も同じことが起こる可能性があります。
オーバー分の金額が払えないとなると自己破産ということになり、ブラックリストに登録されてしまいます。
そうなるとクレジットカードを使えないどころか、資産の差し押さえを受けることになります。
こうならないためにも、常にいくら残高があるのか、利用限度額はどれくらいかをきちんと把握しておきましょう。。
リボ払いの注意点(実践編)
ここからはリボ払いを実際に利用する場合にどのような注意点があるのかについて実践的な解説をしていきたいと思います。
本当はリボ払いを利用しないほうが危険を回避できるのでおすすめはしませんが、本当に必要だと思った方に向けて紹介していきます。
毎月の返済額は気持ち高めにしておく
毎月の返済額の設定は高めにしておきましょう。
というのも、設定を小さい金額にするとが月々の負担が少ない気がしますが、金利は年率計算なので気づいたら高額な金利になってしまい、設定金額が低いと高い金利手数料を払うことになるからです。
こうなってしまった場合は、肝心な借金を返していくのが大変になり、金利地獄になってしまいます。
設定金額は無理のない範囲でなるべく高めに設定するようにしましょう。
そのため、とにかく早めに完済することがカギとなります。
できれば分割払いにする
できるだけリボ払いではなく、分割払いを選択しましょう。それが無理な場合は妥協して分割払いにしましょう。
分割払いとリボ払いでは金利に大きな差があります。
また、分割払いの場合は回数によっては手数料無料になるカードもあるため、そのような利用しやすい条件を上手く活用することが大切です。
分割回数を大きくする場合は、毎月一定の金額以上かかることがあらかじめわかっているので、カード利用も計画的におこなうことができるでしょう。
リボ払いにはメリットもある
ここまでさんざんリボ払いを利用するデメリットのみ解説してきましたが、実はちゃんとメリットもあります。
以下ではそのメリットについて紹介します。
支払額が一定
どんなに大きな買い物をしても支払額が一定になるというのがやはり最大の魅力になります。
今月は大きな買い物をしてしまったから、しばらくは控えてリボ払いでの返済を頑張ろう。としっかり管理ができる方におすすめします。
ただし、金利の事を全く考えずに使っていると返済に苦しむことになるので気を付けましょう。
簡単に繰上返済が可能
リボ払いは繰り上げ返済の手続きが簡単にできます。
繰上返済や全額返済はネットやATM等でおこなうことができるので、気づいたときにすぐ行うことが可能です。
そのため、一旦リボ払いで支払い始めて金利に溺れる前に切り替えができ自分の支払い能力内でやりくりができます。
リボ払いの利用は計画的に
今回の記事では、リボ払いと分割払いの注意点を解説してきました。
リボ払いは月々支払う金額が一定のため、月々の負担が少ないように思えますが、実際は分散しているだけで金利でさらに返済額が膨らむといったことが多くあります。
一見便利に見えますが、一歩間違えると借金まみれで自己破産に陥ってしまう可能性もあります。
そうしたことを防ぐためにも返済額をこまめに確認するなどの自己管理が必要です。
もしリボ払いを利用するといった際はこの記事で挙げたことを気に留めながら計画的に利用するようにしましょう!