アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの特徴と、メリット&デメリットを紹介

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードは、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッドが発行する、法人・個人事業主向けのクレジットカードです。個人用であるアメリカン・エキスプレス・カード(アメックス・グリーン)の、法人・個人事業用のカードになります。

アメリカン・エキスプレス・カード(アメックス・グリーン)と異なる点といえば、名前の通り、ビジネスに特化した仕様になっているところでしょう。

今回の記事では、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードが他社のクレジットカードやAMEXブランドの他のクレジットカードと比べてどう違うのか、使う上でのメリット・デメリットは何か、について詳しく説明していきます。

本文

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの概要

基本情報

還元率 : 0.33%〜0.5%

国際ブランド : American Express

利用限度額 : 30万円~100万円

年会費 : 12,000円
※1年目も2年目以降も12,000円です。

家族カードの年会費 : 6,000円
※1年目も2年目以降も6,000円です。

ETCカードの年会費 : 初年度は無料、2年目以降は500円
※年に1回以上利用すれば、翌年も無料になります。

発行手数料 : 無料
※家族カードの発行手数料も無料です。
※ETCの発行手数料も無料です。
※カードの再発行にかかる手数料も無料です。

発行資格 : 20歳以上の法人代表者、20歳以上の個人事業主

支払い方法 : 1回払い のみ

支払い日 : 20日締め翌月10日払い

海外利用時手数料 : 2%

電子マネー

クレジットカードに付属する電子マネー : なし

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードでチャージ可能な電子マネー
→楽天Edy(ポイント付与対象外), モバイルSuica(ポイント付与対象外) , SMART ICOCA(ポイント付与対象外)

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードでチャージ不可能な電子マネー
→nanaco , WAON , PASMO

ポイント

付与されるポイントの名称 : メンバーシップ・リワード

ポイント有効期限 : 3年間(期間内に1度でも交換すれば無制限になる)

ポイントレート : 100円ごとに1ポイント付与

ポイント交換

「メンバーシップ・リワード・プラスあり」
・支払い充当:1ポイント=0.5円
・楽天スーパーポイント:3,000ポイント → 1,500ポイント
・Tポイント:3,000ポイント → 1,500ポイント
・その他各種商品など

「メンバーシップ・リワード・プラスなし」
・支払い充当:1ポイント=0.3円
・楽天スーパーポイント:3,000ポイント → 1,000ポイント
・Tポイント:3,000ポイント → 1,000ポイント
・その他各種商品など

※「メンバーシップ・リワード・プラス」とは
ポイントの有効期限が無期限になるのに加え、特定利用分ボーナスポイントプログラムへの申し込みが可能となり、提携各社へのポイント移行、お支払いにポイントを利用する際のレートがアップするなど、「貯まる」と「使う」の両方でよりオトクになるプログラムです。
→年間参加費は、通常3,000円+消費税(2年目以降自動更新)
→登録完了まで、最大2週間程度の時間がかかる

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードのメリット

上の概要を見る限り、非常に充実しているクレジットカードのように思えます。以下では、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードのメリットを、3つの観点からご紹介します。

①ポイントが使いやすい!

前述の通り、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードのポイントプログラムは、AMEXの「メンバーシップ・リワード」です。

また、このクレジットカードでは、ポイントの有効期限が無期限となっています。

主なポイント交換先と交換レートは以下の通りです。

・航空会社or指定旅行代理店(日本旅行、アップルワールド):1ポイント1円
・ホテルや指定以外の旅行代理店:1ポイント0.8円
・旅行以外のカード支払代金充当:1ポイント0.5円
・各種マイル:1000ポイント→1000マイル
・楽天スーパーポイント:3,000ポイント→1,500ポイント
Tポイント:3,000ポイント→1,500ポイント
・その他各種商品など

以上のように、ポイントの交換先は非常に豊富で使いやすいので、ポイントの使い道に困ることは無いと言っていいでしょう。

②付帯保険が充実!

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードに付帯する保険は、ゴールドカード並みに充実しています。さすがはAMEXといったところでしょう。

このクレジットカードに付帯する特別な保険は、「リターンプロテクション」です。
商品を返品時に受け付けてもらえない場合に、購入金額が補償されます。最高3万円、年間15万円までとなります。旅行保険は家族特約まであるので、かなり充実しています。
その他の付帯保険一覧は以下の通りです。

「海外旅行傷害保険」
・付帯条件 : 利用付帯
・死亡、後遺障害 : 最高5,000万円(家族最高1,000万円)
・障害治療 : 最高100万円
・疾病治療 : 最高100万円
・救援者費用 : 最高200万円
・賠償費用 : 最高3,000万円
・携行品損害 : 最高30万円(自己負担額は3,000円)
・家族特約:あり

「国内旅行傷害保険」
・付帯条件 : 利用付帯
・死亡、後遺障害 : 最高5,000万円(家族最高1,000万円)
・家族特約:あり

「ショッピング保険」
・年間保証限度額 : 最高500万円(自己負担額は10,000円)
・補償期間 : 90日間

要約すると、
・海外旅行傷害保険は、利用付帯で最高5,000万円
・国内旅行傷害保険は、利用付帯で最高5,000万円
・ショッピング保険は、最高500万円の90日間補償
となります。

③優待サービスが充実!

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード保持者には、たくさんの優待サービスがあります。

・「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード」特有のサービス
・「アメリカン・エキスプレス・カード(グリーンカード)」と同じサービス

大きく分けると以上の2種類があるので、それぞれについてご紹介します。

「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カード」特有のサービス

数多くあるサービス中でも、特にメジャーなサービスは以下の5つです。

・四半期管理レポート
経費を分析するためのレポートを送ってくれるサービスです。「四半期ご利用集計」「四半期ご利用明細」のレポートが3ヶ月ごとに届き、アメックス・ビジネス・カードの本会員、家族会員、従業員会員、全てのカードについての利用状況を確認できます。「社員にクレジットカードを渡すと、何に使うか心配…」といったこともなく、一括で管理することができ、業務の効率化や人件費の削減に繋がります。

・ビジネス コンサルティング サービス
電話や面談による経営コンサルタントを紹介してくれるサービスです。ビジネス界で有名な「船井総合研究所」をはじめとするコンサルティング会社の、セミナーやビジネスのノウハウに関するDVD・CDの料金優待を受けられます。また、自分のビジネスで「新規顧客開拓」「顧客単価のUP」「経営の効率化」など、改善したいポイントについての相談をしたい際は、その道に長けたそれぞれのビジネスコンサルタントを紹介してもらうことが出来ます。

・ビジネス情報提供サービス「ジー・サーチ」
アメックス・ビジネス・カードの会員は、ビジネス情報提供サービス「G-Search(ジー・サーチ)」を無料で利用することができます(通常年会費6,000円)。ジー・サーチは日本最大級のビジネス情報提供サービスで、「企業情報」「新聞記事」「科学技術文献」「人物情報」「地図・不動産データ」「特許・法律・技術情報」「マーケティング情報」などの情報を閲覧できます。インターネットの普及に伴う情報社会において、信用できる情報収集サイトによる市場の動向サーチは、確実に役に立ちます。

・ビジネス情報調査代行サービス
国内・国外問わず、市場の与信概要情報調査、信用情報調査、企業スクリーニング、等の調査を代行し、その結果をレポート形式でまとめてくれるサービスです。同じくこちらもジー・サーチで利用でき、もちろん費用は無料です。

・ビジネス セービング
経営の業務上に掛かる食事・宿泊などのコストを抑えることが出来るサービスです。ホテル、レジャー、ダイニングなど、幅広いジャンルへの加盟店から優待が受けられるため、プライベートでも仕事でも、オトクに加盟店を利用することが出来ます。

その他のサービスは以下の通りです。

・オンライン サービス
・福利厚生プログラム「クラブオフ」
・ビジネス ニューズライン

「アメリカン・エキスプレス・カード(グリーンカード)」と同じサービス

数多くあるサービス中でも、特にメジャーなサービスは以下の5つです。

・空港ラウンジ(同伴者1名無料)
国内28箇所の空港、海外2箇所の空港で、空港ラウンジを無料で利用できるサービスです。本人のみならず、同伴者1名まで無料で利用できます。これは家族カードでも同様で、本人カード1枚、家族カード1枚を持っている場合は、最大で4名まで無料で利用できるため、家族カードを含め、会員数の2倍の人数まで、空港ラウンジを無料で利用できるということになります。

・手荷物無料宅配サービス
海外旅行から帰る際、日本国内の空港から自宅まで、スーツケース1個を無料で配送してくもらえるサービスです。スーツケースの宅配料金は、何らかの割引が適用された場合であっても、多くの場合1,500円~2,000円程度かかります。そのための費用も浮きますし、海外旅行の際に重いスーツケースを引いて移動する必要もないため、お財布にも体に優しいため、筆者も重宝しています。対象空港は、羽田空港、成田空港、中部国際空港、関西国際空港です。

・海外旅行先での日本語サポート(オーバーシーズ・アシスト)
海外の旅行先からでも、日本語にて、レストランの予約や、医療機関の紹介など、24時間通話料無料で対応してもらえるサービスです。「英語が話せないから、いざという時に不安」といった不安がある方も安心です。

・オンライン・プロテクション
インターネット上での不正利用による損害を全額補償してもらえるサービスです。「クレジットカードが入った財布ごと盗まれた」といったトラブルの際でも安心です。

・アメリカン エキスプレス セレクト
日本をはじめ、世界100以上の国と地域で、ホテル、食事、ショッピング等の優待や割引を受けることができます。こちらもAMEX会員限定の優待プログラムです。

その他のサービスは以下の通りです。

・メンバーシップ トラベル サービス
・空港パーキング無料
・ポーターサービス
・空港クロークサービス
・エアポート ミール
・海外用レンタル携帯
・レンタカーの国内利用
・トラベル サービス ロケーション
・アメリカン エキスプレス トラベルオンライン(旅行予約サイト)
・一休.comの優待特典
・日本旅行の優待特典
・アップルワールド.comの優待特典
・H.I.Sの優待特典
・エクスペディアの優待特典
・チケットアクセス
・旅行傷害保険
・アメリカン エキスプレス コネクト
・ダイニング トレンド
・リターン プロテクション
・ショッピング プロテクション
・カード盗難や紛失の場合の緊急再発行
・アメリカン エキスプレス セーフキー
・ゴルフ デスク

「アメリカン・エキスプレス・カード(グリーンカード)」から無くなっているサービス

・プライオリティパス
・エアポート送迎サービス

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードのデメリット

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードには、上記のような魅力的な特典がある一方、デメリットも存在します。以下では、このクレジットカードのデメリットを、3つの観点からご紹介します。

①年会費が高い

前述の通り、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードの年会費は12,000円です。また、家族カードの年会費も6,000円です。

ただ、ステータスカードである以上、そこはケチるポイントでは無いように思いますが。笑

しかも、ビジネスで使うクレジットカードであれば、その年会費は経費計上できるので、さほど問題はないはずです。

このカードで得られるメリットと、年会費とを天秤にかけ、それでも作りたいという方は、是非とも作ってみてはいかかでしょうか。

②他のブランドよりも、使える店舗が少ない

日本と世界全体におけるクレジットカードブランドの大まかなシェアは以下の通りです。

「日本のクレジットカードブランドシェア」
・VISA : 45%
・JCB : 32%
・Mastercard : 17%
・American Express : 5%
・Diners Club : 1%

「世界全体のクレジットカードブランドシェア」
・VISA : 56%
・Mastercard : 26%
・中国銀聯 : 13%
・American Express : 3%
・JCB : 1%
・Diners Club : 1%

数字で見ても、VISAが圧倒的なシェアを誇り、アメリカン・エキスプレスのシェアは比較的少ないです。

そのため、アメリカン・エキスプレス・カードは非対応の店舗も多いということを念頭においた上で、発行するかどうかを検討していただければと思います。

しかし、アメリカン・エキスプレスに対応していない店舗であっても、JCBが使える店舗であれば、アメリカン・エキスプレスのクレジットカードを使うことができます!

そうなると、日本国内でのシェア率の合計は33%、世界でのシェア率の合計は4%となります。日本でのシェア率は比較的高いですが、海外でのシェア率は低いです。

ただ、大きな店舗であれば、大体対応しているので、そこまで神経質になる心配はないでしょう。

③電子マネーのチャージでポイントが貯まらない

前述の通り、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードでチャージ可能な電子マネーは「楽天Edy」「モバイルSuica」「SMART ICOCA」がありますが、いずれについてもポイント付与の対象外です。

日常的にSuicaのオートチャージを行う人にとっては、これはマイナスポイントでしょう。

そのため、電子マネーのチャージに際しては、別のクレジットカードに紐づけることをお勧めします。

ちなみに、Suicaのチャージについては「ビックカメラSuicaカード」がオススメです。

まとめ

これまで紹介した通り、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードは、ビジネス関連でのサービス優待が非常に魅力的なカードです。

クレジットカードを選ぶ際の基準は人それぞれで、このカードのようにステータスや旅行向きかどうかを重視する方もいれば、ポイント還元率が高いカードが欲しいという方もいます。後者の方が、割合的には多いのではないかと思います。

クレジットカードは適材適所。ポイント還元率で話をすれば、楽天でのお買い物には楽天カード、ドコモのスマホ料金の支払いにはdカード、が当然一番オトクです。

しかし、お店の数だけクレジットカードを発行していてはキリがないので、あなたの支出を振り返り、特に多いものに対してオトクになるカードを作るのが良いでしょう。

この記事を参考にしていただき、あなたのクレジットカードライフが実りあるものになることを願っています。

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